#25 味噌汁は思いつきです。

ぼくは総合格闘技が好きで20代前半の頃までよく見ていた。 
五味選手や所選手、桜庭選手に魅力を感じよく応援していた。 
さいたまスーパーアリーナに足を運び生観戦したことも何度かある。 
彼らが戦う姿を本当にかっこいいと感じていた。 
対戦相手に勝つために己を徹底的に追い込んだり、 リスクを背負いながらも攻め抜く姿勢に興奮し、感動していた。 

戦う選手をかっこいいとは思うが、それと同時にぼくには絶対出来ないなとも強く感じていた。 
殴ったり蹴られたりするの痛いし、自分を追い込むなんてできないし。 
自分には出来ない事をやっているからこそ、ぼくは彼らをヒーローのように感じていたのだろう。 
そんなヒーローたちも連戦連勝なわけではなかった。 
紙一重のところで苦杯をなめる事も時々あり、そんな時はぼくも気持ちが落ちたりしていた。 
それでも彼らから気持ちが離れることはなかった。 
「次こそは!」とまた応援する気持ちがムクムクと芽生えてくるのである。 
応援する選手が負けると、ファンも悲しさを共有する。 
逆境をはねのけて復活してくれると、ファンは自分のことのように歓喜する。 


今回、10代女子水泳選手にでかい壁が立ちふさがった。 
ぼくはこの選手の爛漫さが兼ねてより本当に好きで会った。 
彼女の特番を見てからは尊敬の念を禁じえなかった。 


彼女が泳ぐ姿を見る度に勇気を享受していたにも関わらず、今の彼女のためにぼくができる事など高が知れている。 
(負けないで!と応援する事。あとはせいぜい毎朝味噌汁を作ってあげる事ぐらいか・・・。) 
彼女に勇気をもらったように、次はこちらがガンバレガンバレと言う番だ。 


そしてきっとこの循環はもっと身近なところでも起きているのかもしれない。 

音楽の道で食っていこうとしている友人にぼくは「頑張れ」と思うっているし、 

生きているうちに自分のスタンドをなんとか出そうと試みている僕を見た誰かが「頑張れ頑張れ」と応援してくれているのだろう。 

人を応援する気持ちは無償で生まれる。 
応援はする方もされる方も励みになっているのかもしれない、と感じた今日1日の気づきであった。


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日本のインプロバイザー・長澤英知の公式HP。 インプロ / 俳優 / MC / ナレーターなどの活動を行う。

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