#76 感傷
ぼくは幼少期、本当にゲームが大好きだった。
ファミリーコンピューターに始まり、スーパーファミコン、ゲームボーイ、プレステ、プレステ2、プレステ3と王道は抑えていた。
ジャンルを問わずプレイを行ったが、中でも好きだったのは主人公のレベルを上げて冒険を進んで行くロールプレイングゲーム(RPG)である。
主人公のレベルを上げることで自分自身のレベルも上がっているかのように錯覚でもしていたのだろうか。ぼくは学校を休み、部活を退部し、ひたすらRPGをやりまくった。そのほとんどは平成を代表するような名作のゲームばかりである。
その中でもハマりにハマったのは、ドラゴンボールの作者である鳥山明大先生がキャラクターデザインを担当された『クロノ・トリガー』というタイトルのスーパーファミコンのソフトだ。
これは、ぼくが小学生の頃に一世を風靡したゲームである。クラスメートの大半の男子はこのソフトをプレイし、毎日教室でクラスメートと進捗具合を張り合っていた。ネットも普及していない時代だったので、生徒間で情報交換もしていた。
それから約10年の時を経た2009年頃(ぼくが大学生の頃)、このソフトがニンテンドーDSで発売された。ぼくは購入するかを迷いに迷った挙句、購入しなかった。このソフトを買ってしまうと廃人になるという強い確信があった為だ。演技を学ぶために東京に来たぼくに、このソフトの存在は毒でしかなかった。
そして10年後の2019年現在。
ぼくは廃人になる覚悟ができた。
ジョジョに人間を辞めることを高らかに宣言したDIOのように、ぼくもまた廃人になることを宣言しようと思う。
1コメント
2019.05.14 13:37