#3 『フィリップス・コレクション展』

 三菱一号館美術館へ、『フィリップス・コレクション展』を見に行った。
知らない画家がいて(というよりぼくがあまりに画家を知らなさすぎて)非常に新鮮だった。
ぼくが今回感銘を受けたのは、
ワシリー・カンディンスキーの<連続>、
クロード・モネの<ヴァル=サン=ニコラ、ディエップ近傍 (朝)>、
((夜)や(ランチ前)、(門限ギリギリ)などもあるのだろうか・・・)
ジョン・コンスタブルの<スタウア河畔にて>
の3点。

ぼくは絵画は好きだが詳しくはないのでモネしか知らなかったが
コンスタブルの絵を見た時は2度見したと思う(ひょっとしたら3度見だったかもしれない)。

額面全体に散りばめられた白が印象的で衝撃を受けた。
「あ、この絵好きだな。」
「なんで好きなんだろう・・・」
自分の”好き”を言語化する事をナンセンスだと感じていた20代と異なり、今の僕はもう立派な大人だ。

「よく見たら人が左下に人がいるじゃないか」
「そうか、空模様が東西で異なっていて、それぞれの表情を見せてくれているんだ」
「この中央の力強い黒が、全体の白とバランスを取っているんだな」
コンスタブルが天国から「へい、ボーイ。知ったかぶりが過ぎるよ。色彩を忘れて色のない世界で生きてくれないか?」と声をかけていたにちがいないほどの決めつきっぷりを発揮し、好きの理由を探る。
それは結局自分を知る作業で、絵画を通して自分自身と向き合っているのだと気づく。

でもこの感動がポストカードになった途端、露と消えてしまうのはなんでだろう。
そしてそれを解ってても買ってしまうのもなんでなんだろう。
赤と青のジャージでギターのリズムに合わせて踊り狂いながらなんでなのだろうか考え続けたいテーマだ。

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