#22 台本のある芝居のレッスン

以前までぼくは自分で自分の感情がわからない状態が続いていた。

起きた事象を頭で処理してしまう事で、その事象について自分がどんな感情を抱いているのか自分自身でもわからない事が多々あった。感じる事ができない。感じた事があってもそれを感じたまま素直に表現できない。

相談した師からの「それは自分が自分と繋がっていないんだよ。」という言葉がグサリと刺さった。

役者は自分の身体を楽器に例えられる事がよくあるが、その楽器のチューニングができていないという事なのだ。「役者向いてないやん・・・」と8秒ぐらい落ち込んだ。

しかし、芝居を続けるつもりなのであればこれは避けては通れない道だと判断。それ以来、POV (Point Of View)と呼ばれる、「その事象は自分にとってどうなの?」という訓練をこまめにやってきた。一例を挙げると

 "テレビで幼児虐待のニュースを見る → POV(どう思う?自分) → 「これアカンやろ」の怒り・哀しみ・自分の無力さ"

という事である。(以前のぼくはこの怒りなどを感じる事なく「いつか使えるネタかも。」と頭のメモ帳に書き記し、頭でっかち人間になっていたのである。)

本日のレッスンではその部分がほぼクリアになっており、次のステップへ進めそうな予感があった。

"台本のある芝居だからこそできる表現" と"台本が無いからこそ生まれる表現" 、どちらも在る。

ただし、"どちらもトレーニングしたプレイヤーだからこそ可能な表現" はまだ生まれていないと思う。楽しみである。

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日本のインプロバイザー・長澤英知の公式HP。 インプロ / 俳優 / MC / ナレーターなどの活動を行う。

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